大切な家族を突然失ってしまったら最初にやるべきことは、お世話になった方や親しい間柄の人に、家族の死を知らせることです。ただ、気持ちの整理がつかないときに、手続きややるべきことの多さに戸惑ってしまうものです。今回は、もしものときにあわてずに落ち着いて対応できるよう、訃報の基本的な内容や連絡するタイミング、その方法をご紹介します。万が一のときに備えて、参考にしてみてください。
目次
訃報とは?
故人が他界したことを親戚、友人、会社の人、またその他の関係者に連絡することを訃報(ふほう)といいます。
訃報を連絡するタイミング
訃報の伝えるときはどのタイミングがベストなのか気になりますよね。
まず、故人を自宅や安置場等に安置したら、家族や親戚、また故人がとくに親しかった友人に早急に連絡します。その際には、まだ通夜や葬儀などの日程が明確になっていないでしょう。そのため、亡くなったという事実のみをシンプルに伝え、「詳細は追ってご連絡します」と添えます。
人の死に直面し、その事実を受け入れるのにはどうしても時間がかかります。また、思いもよらないことなので予定を立てるのも難しく、悲しみも合わさって戸惑ってしまうでしょう。そこでなるべく簡潔に故人の死を伝えます。
そして、葬儀社と相談し、葬式の日時や場所が確定したら、改めてまた詳細を伝えます。自分の会社にはもちろん忌引きなどもあるので連絡しますが、故人が勤務していた会社の関係者には詳細が確定したあとに連絡するとスムーズに進むでしょう。
訃報の連絡に必要なことは?
訃報で連絡することは「誰がいつ逝去したのか」、「葬儀や通夜の日程と様式」、「喪主の名前と間柄」などです。
このとき、弔問を希望する人もいるかと思いますので、家族葬や密葬など身内のみでお別れをする場合はその旨をお知らせしましょう。
ただ、少人数を想定して家族葬を行ったのに、当日になると想定外の弔問者で戸惑ってしまったということもあります。「通夜・葬儀は、親族と生前に親しかった方のみで行う」旨を相手にしっかりと伝え、限られた人数で葬式を行うことを理解してもらいましょう。
訃報を伝える連絡順は?
家族が亡くなった時には、家族や親族、故人の友人や知人、葬儀会社などに訃報の連絡をします。連絡をするべき順番に解説していきます。
家族や親族
初めに訃報を伝えるのは家族や親族です。一般的に親族には三親等までは知らせるようにします。遠方に暮らす親戚は、こちらに来る日程の調整が必要になるので、なるべく早く連絡する方がよいでしょう。
葬儀会社
親族への連絡が済んだら、葬儀や通夜の日程を決めるために葬儀会社に連絡します。親族への訃報連絡の際に、葬儀のスケジュールも合わせて伝えたいという場合は、葬儀社へ先に連絡しても構いません。
故人の友人・知人など
故人の友人などへは、訃報連絡の際に葬儀の日程も合わせてお知らせするとスムーズに進むでしょう。故人の友人や知人、趣味の会、会社の関係者など、故人と付き合いのある人に連絡をして、コンタクトを取ることができた方には周りの方に連絡を回してもらうよう頼みましょう。
寺院(菩提寺)
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々続きてきたお墓があるお寺のことをいいます。菩提寺がある場合は、一般的にそのお寺の僧侶にお勤めを依頼します。
葬儀の日程を決めたあとに連絡すると、お寺側が日程を調整してくれます。ただ、土日祝日やお盆・彼岸の期間と重なると、予定が取りにくくなる可能性があるため注意しましょう。
自分の会社
自分の会社には、詳しい内容が決まってから連絡を入れるのがいいでしょう。直属の上司には電話で連絡するのが好ましいです。また、そのかたにある程度の範囲での社内への連絡をお任せすると負担が少ないでしょう。また、合わせて忌引など手続きの関係も伝えましょう。
自治会・町内会など
葬儀の日程が確定してからそれぞれ自治体の責任を担うかたに電話で連絡します。あとは責任者のかたからそれぞれ伝えていただきましょう。
訃報連絡の方法は?
基本的に電話で連絡することがマナーとして正しく、素早く確実に伝わる方法です。
取り立てて、家族や親戚、親しい友人や菩提寺には、電話で伝えましょう。疎遠になっている親戚もいるかもしれませんが、連絡先がわかるようでしたら一報を入れるのが礼儀です。訃報連絡をしたら、あとは周りのかたに伝えてもらうようお願いすると負荷が少なくてすみます。
しかし実際のところ、電話での連絡はなんと切り出せばいいのか迷ってしまいますよね。そこで文例をご紹介しますので、ご参考にしてみてください。
文例
親族への連絡例
朝方、入院していた父が亡くなりましたのでご連絡いたしました。葬儀や通夜の日程はまだ確定していませんので、決まり次第追ってご連絡します。遺体は、一旦霊安室に安置しています。何かありましたら私まで電話でご連絡ください。電話番号は080-XXX-XXXです。
友人・知人への連絡例
○○の息子の○○です。朝方、入院していた父が亡くなりました。生前中は大変お世話をいただきました。葬儀は、◯◯斎場で行います。通夜は明日の○時から、告別式は明後日の○時にとり行うことになりました。喪主は私がつとめさせていただきますので、ご連絡いただく場合は、080-XXX-XXXにお願い致します。なにかとご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いします。
メールも役に立つ
近年では訃報をメールなどでお知らせすることも少なくありません。もし伝える方がLINEなどを使っているのであれば、問題ないでしょう。また、会社など大きな組織だと一斉連絡ができるメールは役立ちます。
なにより確実に最も早く相手に伝わる手段を選ぶことが大切です。相手がお年を召した方であれば電話やFAXを、若い方であればメールやLINEを活用するなど使い分け、確実に訃報連絡ができる方法を選んでみてください。
いざというときのために準備を
ここまで訃報のタイミングやその方法をご紹介してきました。
衝撃的な出来事が起こったうえに、故人の死を知らせる人を余すことなく確認し、すみずみまで連絡していくことは大変なことです。いざというときに備えて、ふだんから家族に情報をシェアしておくことも、ひとつの手段です。自分が亡くなったときに誰に連絡することを希望するかは、生前に準備し家族に伝えておきたいですね。
携帯電話の連絡先を見てみても、どの人が親しい友人なのか判断しづらい場合もありますので、グループ分けをした「連絡リスト」を書いたエンディングノートをつくっておくと、もしもの時に役立ちます。
まとめ
訃報の連絡方法とその対応法をご紹介しました。
悲しみでいっぱいのときに訃報を考える気持ちの余裕はなかなかないものです。
必要とされるときに故人を気持ちよく見送ってあげるためにも、パニックにならずに対処したいですね。